師を選ぶ

DSCF4439日本のバレエ教室事情は、なかなか問題がある気がする。

資格など無しに誰でも教室を開けてしまう事で、様々な問題が起こっていると思う。

実際私も、その被害者の一人とも言える。

先日、自分の経験を思い出す様な出来事に出会い、自分が受けたトラウマが戻って来てたまらない気持ちになった。

師を選ぶ事は本当に大切な事。教えを受けた人によって、身体まで変わってしまうのだから・・・・。

私がバレエを始めたのは、小学校2年生の時。どうしてもバレエを習いたくてしかたが無かった。

住んでいる町にあったバレエ教室に週一回通い、楽しくて楽しくてしかたがなくて、時間があればバレエのビデオを見ているような女の子だった。でも、その頃一生懸命やっていたのは水泳の方で、選手コースに所属して週5回は2時間程の練習にも通っていた。

中学生になって、水泳よりもやっぱりバレエがやりたいという思いが強く、となりの町にあるバレエ教室であればもっと沢山練習が出来ると聞いて、隣町のバレエ教室を訪れると、私の踊りを見て先生からショッキングな言葉を頂く。

「あなたが今までバレエだと思ってやっていた事はバレエではありません。今からバレエを始めたと思ってください。」と。

私は全く基本を外れてしまっているバレエを習っていたのであった。

最初に習ったバレエの先生を、新しい教室の先生は知っていて、私の足の形が前のバレエの先生とそっくりでビックリしたと言っていた。私の足は、真っすぐな綺麗な形であったのに、いつの間にか習っていた先生と同じ様なO脚に変わってしまっていた。

そんな事も全く気がつかないでいた。子供は目で情報をキャッチしている。私はきっと、必死で先生に近づこうと先生を観察し、真似ようとしていたのだと思う。

バレエ教室を変えた中学2年生から、本当に大変だった。一度覚えてしまった身体の癖はそう簡単に治るものではない。

それに加えて同じ年齢の子達が出来る事が何一つ出来ず、悔しい思いを沢山した。だから、誰よりも練習しないと追いつけないと思って、毎日必死に練習したけれど、それがたたって、足の怪我や、足の痛みからくるストレスで大腸炎にもなった。背骨は曲がってしまって、噛み合わせもズレて偏頭痛があったりもした。今考えると、それも全て、子供の頃に習った間違えた身体の使い方が原因だと思う。

今になって考えれば、間違った身体の使い方と正しい使い方を知れた事はこの先の将来の自分の財産になると思っているし、怪我や病気を通して官足法に出会え、身体をケアする方法を身につけられた事も素晴らしい出会いであったと思っている。

けれど、やはり自分の身体に間違った事を教えてくれた先生へ、怒りの様な気持ちもあるし、そんな人が教室を持ち、生徒を持ち、バレエを教えているという事が遺憾でならない。

どんな分野であれ、人に知識を教えるということには大きな責任がかかっていると思う。

特に、子供に何かを教えるという事は、その子の将来の一部分を引き受けるというくらい影響力のある事なのではないかと思う。

自分の経験を無駄にせず、私も出来る事から始めたいと最近心から思う。

Photo: パリオペラ座

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